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今、働く意欲のある高年齢者はたくさんいます。
「特定求職者雇用開発助成金 生涯現役コース」は、満年齢が65歳以上の離職者を継続して雇用する事業主を支援する制度です。
企業がこのような方を積極的に雇用することは、高年齢者が安心して働き続ける社会づくりに、そして職場の人手不足解消にもつながります。
※「特定求職者雇用開発助成金」に係る特例が令和2年10月5日より実施されました。
詳細は厚生労働省のHPをご確認ください。
また、本コラムは「特定求職者雇用開発助成金」の概要について書いています。
この記事の目次
1.「特定求職者雇用開発助成金 生涯現役コース」とは
「特定求職者雇用開発助成金 生涯現役コース」は、雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者を、ハローワーク等の紹介により1年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成金を支給する制度です。
※「ハローワーク等」とは、ハローワーク、地方運輸局、雇用関係給付金の取扱に係る同意書を労働局に提出している特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者と無料船員職業紹介事業者を指します。
2. 支給対象となる事業主
本制度の支援対象となる事業主は、次の(1)~(7)全ての項目に該当する必要があります。
- (1)雇用保険の適用事業主であること
- (2)対象労働者をハローワーク、地方運輸局、適正な運用を期することのできる特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者の紹介により、雇用保険の高年齢被保険者として雇い入れる事業主であること
- (3)対象労働者を1年以上継続して雇用することが確実であると認められる事業主であること
- ※「雇用」とは、期間の定めのない雇用、または1年以上の契約期間の雇用のことを指す。
- (4)対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(以下「基準期間」)に、勧奨退職を含む事業主の都合による従業員の解雇をしていないこと
- (5)対象労働者の雇入れ日よりも前に本制度の支給決定がなされた者を、支給申請日の前日から過去3年間に、その助成対象期間中に事業主の都合により解雇・雇止め等をしていないこと(平成30年10月1日以降の解雇・雇止め等に限る)
- (6)基準期間に倒産や解雇等の特定受給資格者となる離職理由の被保険者数が、対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていないこと(特定受給資格者となる離職理由の被保険者が3人以下の場合を除く)
- (7) 対象労働者の出勤状況および賃金の支払い状況などを明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等)を整備・保管し、管轄労働局長の求めに応じ提出または提示する、管轄労働局が行う実地調査に協力する等、助成金の支給または不支給の決定に係る審査に協力する事業主であること
3.支援対象となる労働者
本制度の支援対象となる労働者は、以下(1)、(2)両方の条件に該当する方です。
- (1)雇入れ日現在の満年齢が65歳以上の方
- (2)紹介日に雇用保険の被保険者(一週間の所定労働時間が20時間以上の労働者等、失業等の状態にない場合を含む)でない方
4.助成額
対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として、下表の金額が支給対象期(6か月)ごとに支給されます。
助成額は、対象労働者の一週間の所定労働時間や企業の規模によって異なります。
対象労働者の所定労働時間や企業の規模に関わらず助成対象期間は1年です。
※( )内は中小企業以外の企業に対する支給額です。
「中小企業」については業種ごとに規定が定められています。
詳細は厚生労働省のHPでご確認ください。
対象労働者の一週間の所定労働時間 | 支給額 | 支給対象期ごとの支給額 |
---|---|---|
30時間以上(短時間労働者以外)
| 70(60)万円 | 35(30)万円×2期 |
20時間以上30時間未満(短時間労働者)
| 50(40)万円 | 25(20)万円×2期
|
5. 申請のスケジュール
「特定求職者雇用開発助成金 生涯現役コース」の申請の流れは次のとおりです。
- (1)ハローワーク等からの紹介
- (2)対象者の雇入れ
- (3)助成金の第1期支給申請
- (4)支給申請書の内容の調査・確認
- (5)支給・不支給決定(申請事業主に通知書送付)
- (6)助成金の支給
※第2期支給申請も(3)~(6)と同様の手続きが必要です。
6.まとめ
高年齢者を雇用することは、企業にとってさまざまなメリットがあります。
たとえば、高年齢労働者の知識や経験は若手社員の成長を促すきっかけになります。
また、高年齢労働者の働き方に合わせて時短勤務やフレックスタイム制度を導入すれば、労働時間の柔軟化も図れるでしょう。
高年齢労働者を積極的に雇用することは、誰もが働きやすい職場環境づくりにもつながるのです。
事業主のみなさまは、ぜひ「特定求職者雇用開発助成金 生涯現役コース」の活用をご検討ください!
出典:厚生労働省