【令和4年度改正】「出生時両立支援コース助成金」
令和4年度雇用関係助成金の改正案についてパブリックコメントの募集が開始されました。
「両立支援等助成金」の内容の見直しが検討されています。
本助成金の概要と改正点を分かりやすく解説します。
詳細は厚生労働省のパンフレットをご覧ください。
この記事の目次
「両立支援等助成金」とは?
「両立支援等助成金」とは、仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等を支援する制度です。
仕事と育児の両立支援や男性の育児休業取得を推進させる等の取り組みを行う事業主が助成金を受給できます。
「両立支援等助成金」にはいくつかのコースがあり、令和4年度の法改正にともない内容の変更や廃止が検討されているものがあります。
廃止されるコース
- 「女性活躍加速化コース助成金」(令和3年度限りで廃止)
延長されるコース
- 「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース」(助成対象期間を令和5年3月 31 日まで延長)
- 「介護離職防止支援コース助成金(新型コロナウイルス感染症対応特例)」(助成対象期間を令和4年度末まで延長)
内容が変更されるコース
- 「出生時両立支援コース助成金」
- 「育児休業等支援コース助成金」
- 「不妊治療両立支援コース助成金」
以下、内容が変更されるコースの概要と変更点を解説します。
【令和4年度改正】「出生時両立支援コース助成金」
「出生時両立支援コース助成金」は、男性労働者の育児休業を促進する目的で作られた制度です。
現行では、男性労働者に育児休業・育児目的休暇を取得させた事業主に助成金が支払われます。
たとえば、中小企業で男性労働者が育児休業を取得した場合には72万円が支給されます。(取得者が1人目で生産性要件を満たした場合)
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
令和4年度の法改正にともない、第1種と第2種が新たに設けられる予定です。
第1種と第2種に定められた条件に該当する中小企業事業主に助成金が支給されます。
助成額は以下のように変わります。
現行 | 改正後 |
---|---|
【1人目の育休取得】57万円(※中小企業事業主では生産性要件を満たさない場合)
| 【第1種】育児休業取得:20万円
代替要員加算:20万円(3人以上45 万円)
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【2人目の育休取得】5日以上:14.25 万円/14 日以上:23.75 万円/1ヶ月以上:33.25 万円
| 【第2種】育児休業取得率の30%以上上昇/
1年以内達成:60万円
2年以内達成:40万円
3年以内達成:20万円
(※生産性要件を満たさない場合)
|
第2種を受給するには、第1種の支給を受けていることが条件になります。
また、第1種、第2種ともに1事業主あたり1回までの支給です。
【令和4年度改正】「育児休業等支援コース助成金」
「育児休業等支援コース助成金」は、働き続けながら子の養育を行う労働者の雇用の継続を図るため、育児休業の円滑な取得、職場復帰に資する取り組みや、子どもの世話をする労働者のために有給休暇制度および両立支援制度の整備を行った事業主に対して支援をする制度です。
令和4年度の法改正にともない、次の2点が検討される予定です。
- (1) 育児休業取得者の代替要員を確保し、当該取得者を原職復帰させた場合の助成について、代替要員の新規雇用等を行った場合の現行の助成のほかに、いくつかの要件を満たした場合についても助成することとする
- (2)業務代替支援を設ける
現行
改正後
【令和4年度改正】「不妊治療両立支援コース助成金」
「不妊治療両立支援コース助成金」は、不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組み、不妊治療を行う労働者の相談に対応し、休暇制度・両立支援制度を労働者に利用させた中小企業事業主を支援する制度です。
令和4年度の法改正にともない、対象事業主と長期休暇の加算に係る要件の変更が行われる予定です。
現行 | 改正後 |
---|---|
【対象事業主】不妊治療のために利用可能な休暇制度および両立支援制度を設けて労働者に周
知するとともに、不妊治療と仕事との両立に関して労働者の希望または課題の把握を行うための調査を実施し、不妊治療と仕事との両立支援を図るための業務を行う担当者を選任して不妊治療を受ける労働者の相談への対応を行い、「不妊治療支援プラン」を策定してプランに基づき休暇制度・両立支援制度を合計5日(回)
以上労働者に利用させた中小企業事業主
| 【対象事業主】現行の要件に、「不妊治療と仕事との両立の支援に関する方針を示し、労働者に周知させるための措置を講じている中小企業事業主であること」を追加
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【長期休暇の加算に係る助成金の支給】1事業主あたり5人まで支給
| 【長期休暇の加算に係る助成金の支給】1事業主あたり1人まで支給
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出典:厚生労働省